再建築不可の壁
住宅探しを初めて一番気になったのが、検索しているそのエリアの相場からがくっと下がった物件がちらほらあること。スーモでおもむくままにチェくるのが日課の私ですが、住所とか間取りなどでソートすると必ずと言っていいほどひっかかるんです。なぜこの広さでこんなに安いのか。必ずしも情報として載っているとは限らないのですが、匂うぜぷんぷんと…類似サイトで調べるとやっぱりありました。このお家、再建築不可の文字!
道路に接していないと再建築できない
最近では鬼怒川の方で豪雨後、大量の水が流れてきても押し流されない家がニュースで流れました。
建物は、木造でも50年ぐらいは余裕で建っているのを見ませんか?鉄筋コンクリートに至っては100年ぐらいもつという説もあります。何も起こらなければそうそう建て直しに直面する事態はこないと思いますが、地震や暴風雨、火事など不可抗力でその建物に住めなくなることは考えうる事態です。
もし今住んでいる家が火事などで住めなくなったらどうしますか?
建て直しますよね。それが…建て直し、いわゆる再建築ができない条件というのがあるのです。
それは、簡単に言うと道路に接していないということです。
ここでいう道路は建築基準法で定められているもので、4メートル以上必要とされています。
私道も建築基準法で道路とみなされなければ再建築はできないのです。
条件は様々みたいですので一律には言えませんが、敷地延長・旗竿地で再建築不可の傾向が高いようです。
昔は、1間(1.8メートル)で建て替えができたみたいですが、この基準で建てられた建物は、もれなく再建築不可になってしまいます。物件の紹介ページをよくみると、再建築不可の文字はなくても接道:1.8メートルって書かれていることが結構多いです。
再建築ができない建物に高いお金を出して買おうとはなかなか思えません。したがって再建築不可の物件は価値が低く見られて比較的安値で取引されているのが現状です。
むしろ住宅ローンが使えないことが多いようです。
自然と現金での取引になり、なかなか不動産初心者には手が出しにくい。
そう考えると、東京の都心部は旗竿地に建てられた戸建てやアパート、古ビルが多いことに気づかされます。
セットバックをすれば再建築ができるケースも
自動車が一般的ではなかった時代は、前面道路が4メートルも必要ありませんでした。そんな昔に建てられた建物が多い地域では、将来的に前面道路が4メートルを確保できるよう、セットバックをした上で建て直しが可能になるケースもあります。前面道路の中心から2メートルを確保することで、「みなし道路」になるわけです。
建物の前面のラインがちぐはぐな通りは、セットバック要のケースが多いです。
土地や中古の戸建の売買情報に要セットバックと書いてあります。
ほとんど土地なくなっちゃうじゃん!って感じです。
セットバックで再建築ができればいいですが、それすらもできなくて建て直しが必要になったら…更地にするしかないんですかね(泣)。簡単な小屋も無理なら駐輪場とか野営地とかそういう活用法しかないんでしょうか。都心の一等地でも??
今空家が増えていることが問題視され、更地にしないと税金が上がるなんて報道もされていますが、
更地にしたらそこに未来永劫何も建築できない
こうしたケースに対し、政府はどう対応するというのでしょう。
ただし、接道しているお隣の敷地が売りに出されたら、買い取ってまとめて再建築が可能になるケースもあり、そうすると価値が跳ね上がる!そんなことを考えたら粘り強く待って栄光を勝ち取るという邪心がなくもない(笑)。おそらく、気長な取り組みになるためプロの不動産やさんとは競合しないでしょう(笑)。おすすめはしませんよ!
文豪が住んでいたらしい某お屋敷街の大屋敷が破格で売られていた
再建築不可の問題に行きあたったのは、中古の戸建を検索していてたまたまヒットした都内でも有数のお屋敷街での超格安物件に到達した時。
この住所、坪数、純和風の素晴らしい邸宅で、この額はまったくもってありえない。
写真を凝視すると、細い通路の先にある和風の門が写し出されています。これが玄関?とうことは接道してないじゃん…ああやはり再建築不可の文字が。
このあと、手がけていた不動産屋に会う機会があり聞いてみたら、わずか数日で取引されてしまったとのこと。しかも、超有名な文豪が住んでいたそうです。お客さんに言われて知ったらしいです。なんでも、売主が全て過去のことを知っているとはかぎらないという事例ですね。
でもやっぱり現金での取引だったようです。その額、い・ち・お・く・えん!かえない!